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近年では、日本を訪れる旅行者にも、シンガポールやマレーシア、タイといった東南アジアの人たちも増えています。
特に、2020年、オリンピックが開催される東京には、外国人観光客が急激に増加することが予想されます。
東南アジアはイスラム圏なので、ほとんどの旅行者が「ムスリム」ということになります。
ムスリムには、食生活をはじめ、生活全般において神によって禁じられた決まりがあり、それを守りながら生活しています。
その決まりに基づいた生活は、違う国へ旅行する際も変わることはありません。
そのため、オリンピックで多くのムスリムの人々をお迎えするために、基本的な食事の決まりやマナーを把握しておく必要があるのです。
まず、「ムスリム」について説明します。
「ムスリム」とは、アラビア語でイスラム教徒のことで、「神への帰依者」という意味があります。
イスラム教の聖典「クルアーン（コーラン）」には、さまざまな行動を規範する具体的な内容が啓示されています。
例えば、神の教えにより、「女性は顔と手以外を露出してはいけない」という決まりがあり、家族以外の男性に肌や髪を見せないために“ヒジャブ”と呼ばれる布を巻くのがマナーです。
また、礼拝を毎日行い、その際に、手足や顔など外気に触れた部分は洗い流す必要があります。
イスラム教の特色として、不浄や邪悪なものを払うために、身体を清めて清浄性を重視しています。
食事も、食べることを許可されたものと、禁止されているものに分けられており、ムスリムは禁じられた食べ物は全体に口にしません。
そのため、日本を訪れるムスリムの旅行者が困らないように、日本でもムスリムについて勉強しておく必要があるのです。
イスラム教のことをほとんど知らない人からすると、厳しいタブーやマナーが多いから不自由そう、と感じる人もいるかもしれません。
しかし、強制されているわけではなく、ムスリムにとっての自己表現であって、生活の指針となっているので、大切に受け継がれているのです。
今では、女性が身に付けるヒジャブもファッション化されており、ヒジャブをおしゃれに着こなす“ヒジャブ女子”がインドネシアを中心に増えていると言います。
日本でも、ヒジャブのファッションショーが開催されているようです。
食習慣についても、ムスリム向けの食事は、ヘルシーなものばかりなので、ムスリムではない人からも注目され始めています。
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